こんにちは

出雲大社本殿の裏側にいた兔です。


うさぎは海を渡りたくて知恵を絞りました。
そしてひらめいたのです。
おーい、わにさん。
君たちはこの海にどれくらいいるの?
へん おめえしらねえな。ここいらじゃ俺たちは20も30もいや100だっているぜ。
嘘だぁい。僕たち兔の方がよっぽどたくさんいるね。
なにを、ケンカ売ってやがんのかこのやろう。それじゃ、仲間よんでくっから
驚くんじゃねえぞ。
ワニが仲間を集めてやってくると兔は言いました。
こんなごちゃごちゃいたんじゃ分からないなあ。
ねえ、ワニさん数を数えるから一列に向こうまで並んでよ。
ワニは言われたとおりに並びました。
すると兔はワニの背中を数を数えながら飛び越えていきます。
一匹、にひき、三匹、四匹、・・・・・・・
そして最後のワニを数える頃、うさぎはおかしくなって言いました。
やーーい やーーい わにのばーーか。
おかげで君たちに襲われることなく海を渡れそうだよ。
それを聞いたワニは激怒。
兔はまだ海を渡り切っていませんでしたからたちまちワニに振り落とされて海の中へ
そして、ワニによって皮をはがされて浜に打ち捨てられました。



丸裸になった兔のところへやってきたのが八十神です。
八十神はうさぎに、海水で身を洗い天日にあたっていれば治るよと言いました。
兔は言われたとおりにしたのですが、塩水で洗った肌に天日が当たると
肌は割れ出し、兔は苦しみにのた打ち回ってしまいました。



そこにあらわれたのが大国主命です。

丸裸の兔をかわいそうに思った大国主命は
真水で体を洗い、ガマの穂を敷いて、ガマの花粉のうえで寝ころべばきっと治るよ。
と教えてくれました。

兔はすっかり元気になり、大国主命に大事を告げます。
これからお会いする姫様は、あなたの兄様方八十神の求婚を断ります。
姫様はあなたを選ぶでしょう。