こんにちは

 早めに寝てしまって深夜過ぎに目が覚めたんですが、
懐かしいことに「幽遊白書」的な夢を見てました。

 面白かったので、すぐにメモに取って、ついでに
ブログのネタにもしてみようと思います。

      飛影の災厄




 飛影は霊界からの任務を受けて魔物のチームで人に紛れて
働いていた。
 その任務も終えたので、祝いだとチームの魔物たちと
たらふくに酒を飲んだ。

 珍しく酔っぱらったまま宿泊していたホテルに帰ったが
廊下に座り込んでしまった。任務の疲れと酒の回りで
眠くて仕方なかったのだ。
 飛影の前の方にホテルの従業員の姿が見えた。その従業員に
一言叫ぶなり、飛影はそのまま眠ってしまった。
「起きれなかったらもうヒト晩泊るぞぉ。」

 深夜を過ぎて飛影はやっと目が覚めた。まだ廊下に座り込んでいた。
(どういうことだ?)
遠くからホテルの従業員が一人うろうろしながらこっちを見ていた。
「おい、これはどういうことだ?」
と尋ねると、従業員はほっとしたように近づいてきて説明した。
「お客様はお戻りになってここで座り込まれて、起きれなかったら
もう一晩お泊りになるとおっしゃいました。そのまま寝込まれてしまわれたので
お部屋にお連れしようとしたのですが、お客様は眠ったまま
暴れてしまわれて、誰も手が出せなかったのです。」
「そういうことか。」
しくじったと飛影は思った。任務が終わったのだからさっさと帰らなければ
いけなかったのだが。
「ほかの連中はどうした?」
「お連れ様方は皆先にお帰りになられました。」
「畜生、あいつら。」
「ただ、お客様がペットでお連れになっていた鳥は23号室のお部屋に
運び込んでおります。
「ペットの鳥?」
ああ、あいつのことかと飛影は思った。
鳥の姿をしたでぶっちょの魔物だ。全く力にならず、仕事もできない
お荷物の魔物だった。俺と同じようにほかの魔物に置いて行かれたとは
あいつらしいと飛影は思った。
「とにかく帰る。鳥もたたき起こしてかまわんから連れて来てくれ。」
そう言って、飛影は階下に降りる階段を降りだした。エレベーターを
使うほどの場所でもない。手っ取り早く降りれる階段の方がいい。
 しかし、降りだした階段の一つの踊り場で妙なことがあった。
 つぶれたような人の死体が転がっていたのだ。もちろん騒ぎになっていて
人がそれを囲んでいた。
(めんどうな)
飛影はそれを見てそう思っただけだった。
下に下りなければいけないのだ。飛影は人をのけて死体のそばを通りながら
階下に降りてチェックアウトをしようとしていた。

 その時だった。飛影の勘が警鐘を激しく鳴らした。
(やばいぞ、こいつは)
 一瞬だけ飛影はさっきの死体に目を向けた。そこにはさっきまで死体があった場所に
卵があった。さっきまで死体から流れていた血はその卵に吸い込まれているようだった。
そしてその卵の中からはもうくちばしが突き出ていた。
「当たりの奴かよ。」
飛影は憎々しげに舌打ちをした。その卵からはおびただしいなんて言葉では
量りきれないほどの力が感じ取れていた。
 飛影はすぐにホテルを飛び出した。
 その飛影の後ろで扉がはじけ飛んだ。
 ホテルの中に、炎の大鳥がいた。大鳥が吐いた火が爆発していた。
大鳥は卵の中にいる時から、強い力を感じ取っていた。そしてその力は
自分の敵だと思っていた。大鳥が探す大きな力の敵こそ飛影だった。
大鳥は自分で吐いた火でさらに燃え上がってできた火を今度はすべて
吸い込んで、飛影に向かってホテルを飛び出してきた。
「けっ、とんだおまけつきかよ。」
これが今回受けていた霊界からの任務に関係あるのかどうかは
分からなかったが、面倒なことに巻き込まれたもんだと、
飛影は霊界の役人を呪った。
「こいつぁ、俺一人ではホネだ。」
今回の任務は人に紛れる仕事だったせいで幸運なことに奴らの町にも近い。
あいつらが一緒にいればと飛影は考えた。この時飛影には仲間がいた。
全く力にならない、ただのお荷物だったが今は唯一の仲間だ。でぶっちょの鳥の
姿をした魔物。さっきまで酒に酔ってホテルの部屋で爆睡していたはずなのに、
あいつもちゃっかりとホテルから逃げてきていた。
ホテルの従業員にたたき起こされた後逃げてきたのだろうが、まったく
逃げ足だけは一人前な奴だと飛影は呆れた。しかし今は、
「お前しか頼めるやつがいない。いいか、町へ行け、走れ。町まで行って
幽助と鞍馬を連れてくるんだ。」
鳥の魔物は走り出す。しかし、炎の大鳥がその動きを察知して前に立ちふさがる。
でぶっちょの姿からは想像できないほどの速さで鳥の魔物も物陰から物陰に
逃げ回るが、身を隠すのが精いっぱいでなかなか逃げ切れない。
飛影が炎の大鳥の前に飛び出しては大鳥の目をかすめるように動き回る。
飛影の援護で大鳥のすきをついて、でぶっちょの鳥は走り去ることができた。
幽助か鞍馬どちらかを見つけてくれれば連絡を取り合った二人が来てくれるはずだ。
それまでは一人でこいつの相手をしなければならない。
飛影は少しイラついていると自覚していた。

      桑原の災厄




 幽助は母と電話をしていた。
「わりいわりい、修行に行こうとしてたんだけど、迷っちまった。」
「この馬鹿、帰ってこないと思ったらどこをうろうろしてんだい。」
「あの、お母さま。こいつを料理するんですか?」
幽助の家の台所から桑原の叫ぶような声がした。
「ああ桑原君、悪いねえそれ朝ごはんにしようとしてた肉なんだ、適当にさばいて
料理しといて。」
「だから、今おれどこにいんだかわかんねえんだって。うち帰るの遅くなりそうだわ。」
「子供じゃないだから、さっさと帰ってこないとぶん殴るよ。」
「あの、お母さまぁ」
また台所から桑原が叫ぶようにいった。今度のは泣きそうになっている。
「ごめんねえ。今幽助と電話してるからもうちょっとそっち頼むわねえ。
 そう桑原はたまたま幽助の家に来ていただけだった。早朝にもかかわらず
幽助に会いに来ていたのだ。その理由は桑原の勘違いによる思い込みだった。
まだ陽も昇らないうちに目が覚めた桑原はなぜか今なら幽助に勝てるという
気分でいた。それは根拠ではなくそんな気分がしただけだったのだが
桑原は疑うことなく信じていた。おそらくは寝ぼけていただけなのだろうが
桑原は自分の気分を信じた。そして早朝に幽助を訪ねたのだが幽助は留守だった。

 しかも間の悪いことに、幽助の母は朝ごはんの支度の途中で、しかも電話が
掛かってきてしまった。
「桑原君悪いわね、台所で火をつけっぱなしなの。ちょっと見て置いて。
ついでにまな板に肉があるから適当にさばいて料理しといて。」
幽助の母は最期まで言い切る前に電話を取りに部屋に戻ってしまった。
 桑原は単純なうえに、自分よりも年上の女性から指示を受けたら
すぐに実行してしまう癖が身についてしまっていた。これは頭の上がらない
実の姉の鉄拳による躾のせいだった。

「それであんたはいつになったら帰ってくるんだい。」
「俺も早く帰りたいけど、場所がわかんねんだからすぐには無理かもしれない。
明日か明後日には帰るから。」
そう言って幽助からの電話は切れた。
「まったくあの馬鹿息子。」
呆れながら電話を置いて台所に行く。
「ごめんねエ、大丈夫だった桑原君?」
すると、台所で包丁を手にした桑原がふらつきながら振り向いた。
「大丈夫じゃ、ねぇっす。」
桑原が倒れこんだ。腹から大量の血があふれ出した。何があったのか?
桑原の倒れた後ろに台所が見えた。真っ赤な血が飛び散っている。
まな板の上と言わず、シンクのところまで大きな肉の塊があちこちを切られて
横たわっていた。
「何よこれ。」
幽助の母がまな板の上で調理しようとしていたのは手の平より小さな
肉のかたまりだった。それなのに、人の大きさほどの肉がそこにあった。
しかし、幽助の母は肝が据わっていた。訳の分からない悲惨な状況だったが
大事なことを的確に理解し、すぐに行動に走った。救急車を呼んで
桑原君を助けなければ。幽助の母は電話を取りに部屋に向かった。
 残された台所の床でそれは始まっていた。床に流れ出していた
バケツ一杯もあろうかという血が、桑原の体の中に吸い込まれているのだ。
桑原和真、彼もまた『当たり』だったようである。




 ってところで目が覚めたんですが、結構面白い夢だったもので
覚えておきたくってブログのネタにしてみました。